TBSドキュメンタリー史上
最大の問題作が、
半世紀の時を経て現代に蘇る
1967年2月9日、劇作家の寺山修司が構成を担当した
ドキュメンタリー番組『日の丸』がTBSで放送された。
街ゆく人々に「日の丸の赤は何を意味していますか?」
「あなたに外国人の友達はいますか?」
「もし戦争になったらその人と戦えますか?」
といった、人々が普段考えないような本質に迫る挑発的な質問を、
矢継ぎ早にインタビューしていくというもの。
放送直後から抗議が殺到、閣議でも問題視された曰くつきの番組である。
著名人12人はこの
超問題作をどう観た?
54年後の今、SNSなどの要素を加えながら新たに「日の丸」作品化を目指した佐井大紀の狙いは、決して成功とは言い難い。しかし佐井は、その失敗の過程を隠すことなく、ドキュメントとして提示する。見事な覚悟だ。失敗や肩透かしの要素に54年前の余白が重なり、またひとつ、時代の意味を問いかける作品が誕生した。